11 FFXIをリモート操作で動かしてみよう! 2006.05.22 UPDATE

■0.今回の目的■

 今回のテーマは「プレイ環境を向上」を目指すものとは若干趣旨が異なり、どちらかと言うと実験的な意味合いが強いのでその点を注意して読んで頂けると幸いです。

 みなさんはFFXIをクライアントマシンからリモートで操作したいと思ったことはありますか?通常FFXIをプレイする場合、ゲーム画面がディスプレイ全画面表示となります。そのため1台のPCでは1キャラクターの操作となります。普段はこれで問題ないのですが時々困ることが発生します。

 ・倉庫キャラの所持ギルをメインキャラへ移動させたい。
 ・宅配が出来ないアイテムをメインキャラと倉庫キャラ間で移動させたい。


 実はメインキャラ(Shus)において競売等での誤落札を防ぐため、ある一定金額以上は倉庫キャラにて管理させていました。そんな時こんなパッチが当たってしまい思わず

 「Oh! My Got!」

と唸ってしまいました(爆)。

 大きな買い物をしたい時に一々メインと倉庫をログインしなおすのは予想以上の労力を要します。色々考えた結果あることを試してみようと思い立ちました。

 「一時的に3rdキャラを用意して、メインと倉庫の仲介をさせよう!」

恥ずかしながら誤って購入したエントリーパックが未開封のまま放置してあったので、今回はそれを利用してキャラを1体作成し、仲介役として利用することにしました。幸い自宅にはPCが3台あるためそれらを使って下図のようなネットワーク環境を設定し、2台のリモートサーバでFFXIを動作、それをクライアントマシンで操作するという実験を試みました。今回はその実験結果を元に評価結果をまとめたいと思います。

 ちなみに今回リモート操作で使用したソフトウェアは次の2つです。

[ VNC(Virtual Network Computing) ]
 Windows、Linux、Solaris、HP-UX、Mac、OS2などのプラットフォームに対応したフリーのリモート操作ソフトウェアです。最も使用されている「Real VNC」には日本語版もあります。一度に多数の端末を同時にコントロールする業務的機能はありませんが、数台のマシンをそれぞれに遠隔操作するような場合には、導入のしやすさ、対応プラットフォームの多さ、フリーソフトであると言う利点から多くの場面で使われています。私も以前からVNCを使ってサーバの遠隔操作を行っています。

[ IgScope ]
 今回の評価のために新たに導入したフリーのリモート操作ソフトウェアです。このソフトウェアの特徴は出来る限り高速に画面と操作をトレースすることで高いレスポンスを実現させているソフトウェアです。クライアントもサーバも同一のexeファイルで稼動が可能で導入も簡単です。セキュリティ面で他に劣るところはありますが、FFXIの稼動を視野に入れており今回是非評価してみたいソフトウェアです。

 →サイトはこちら

また、今回のネットワークイメージを下に図解しましたので参考にしてください^^



<各マシンの説明>
■Server(Main)
稼動キャラ : Shus
CPU : Pentium 4 2.8G
GPU : GeForce4Ti4200(64MB)
稼動サーバ : VNC Server
: IgScope Server

■Server(Ath25)
稼動キャラ : 3rdキャラ
CPU : Athlon XP 2500+
GPU : GeForce4Ti4800SE(128MB)
稼動サーバ : VNC Server
: IgScope Server

■Clientr(Ath64)
稼動キャラ : 両Serverのキャラクターをリモート操作
CPU : Athlon 64 3700+
GPU : Radeon X1800XL(256MB)
Clientソフト : VNC Client
: IgScope Client

ちなみにClientであるAth64が通常FFXIをプレイしているマシンですが、今回はリモートのクライアントマシンとして頑張ってもらいます。Serverの2台はスペック的には落ちますがそれでも発売当初の推奨マシンレベルです。問題は通信の中核になる無線LANルータとリモートソフトウェアの性能が大きく左右する点でしょうか。

■1.VNCによるリモート操作■

<注意>
 RealVNCについては2006.5.12付けでセキュリティの脆弱性が発見されており、最新Verへのアップデートが呼びかけられています。Ver4.1.2より前のRealVNCを使用されている方は迅速なVerUPを行いましょう!

 まずはVNCを使用したリモート操作にチャレンジです。
Windows版ではプロセスをサービス化することが可能で、この設定を行うと「ようこそ」画面から操作が可能になります。この機能は再起動等をさせた場合に非常に重宝します。さて実際の使用感ですが、画面の色数をサーバ側で指定できます。まずは自動設定でログインしてみます。


図1:Server(Ath25) 自動設定(32ビットカラー:640×480) 

 TrueColor(32ビット)での表示となるため画面の見かけ上は通常と遜色なしです。またWinndowサイズも自動的に設定値の大きさになるので使い勝手も悪くないです。ただしフレームレートは約0.5FPS(2秒で1回再描画)なので操作ラグが発生してリアルタイム操作としてはまともにプレイできませんでした。ゆっくりゆっくり移動したり、メニューを出して操作する分には操作できないわけではありません。ちなみに色数をサーバ側で減らしてみましたが大して変化無し。むしろ画像が見難くなります。この辺りはネットワークに負荷をかけないよう制御しているのかもしれません。

項 目 評 価 備 考
画像描画 ★★★ 実用に耐えれるのはTrueColor(32bits)のみ
利便性 ★★★★ 「ようこそ」画面から操作可
操作性 フレームレート低し
マシン負荷 ★★★ クライアント・サーバともCPU使用率低し
導入 ★★★ ネットワーク知識があれば導入はし易い
総合評価 ★★ 実際のプレイにて使用するには難あり。ただしログの監視、バザー、中継トレードには有効
FFXIに限らず汎用的に使用したいケースでは利用性は高い。

■2.IgScopeによるリモート操作■ 2005.05.22 UPDATE

 では次にIgScopeを試してみました。
ゲームをターゲットにしているだけあり、クライアントの描画にDirectXを使用していたりタイトルバーにフレームレート(FPS)が表示されるのも特徴の一つでしょう。BLOGによればサーバ及びクライアントのマシンスペックが高く、中継する回線やルータのスループットが十分高速(100Mbpsレベル)であれば30FPS近くになるとのこと。まずはMainサーバで稼動しているShusをTrueColor(32bits)の描画設定でリモートコントロールさせてみました。画素数800×600の状態でサンドリア競売前で約5〜8FPSを記録しました。VNCと比較するとかなり高速な表示が行われています。しかしこのフレームレートでもプレイ上は「カクカク」した表示になります。


図2:Server(Main) 画質優先(32ビットカラー:800×600) 

 次に3rdキャラが稼動しているサーバを「速度優先」設定し、描画をモノクロ表示にしてみました。そうしたところ単純に色数を減らすケース(VNC)とは異なり、画像が崩れることなく程よくモノクロ化されました。見栄えはともかくプレイには困らない表示になりました。またフレームレートは10〜13FPSまで上がり多少表示が滑らかになりました。ただし無線LAN(IEEE802.11b)とルータスのループットの限界に来ていると思われ、他の設定を変更してもこれ以上のフレームレート数UPは出来ませんでした。これはServer(Main)でも同様の状態になったための推測です。もっとスループットのよいルータを用意できればまた変わるかもしれません。


図3:Server(Ath25) 速度優先(モノクロ:640×480) 

<2006.5.22 追記>
 5/18にIgScopeVer1.40にバージョンアップしました。操作面をかなり作り直したとのことで、今まで致命的だった「FFXIでキーボードが使えない」問題が解決されました(祝)!

・・・と言うことで早速使ってみました。今回はMainサーバを使用しての実験です。


図4:Server(Main) 画質優先(32ビットカラー:640×480) 

 まずは最高画質&32ビットカラーモードでの画面です。画質的には図2と同じ環境なので画質も同じで通常に見劣りすることはありません。今回は評価場所の関係も在るのかFPSは3〜8と幅が出ていました。


図5:Server(Main) 速度優先(32ビットカラー:640×480) 

 前回同様画質優先から速度優先への切り替えを行ったところ画素数が少ないこともありFPSが14〜18まで跳ね上がりました。確かに文字はぼやけるものの、それなりの描画スピードといえます。


図6:Server(Main) 速度優先(モノクロ:640×480) 

 さらに画面をモノクロにしたところFPSは20を超えました。ここまで来ると発売当初の「稼働環境」での動作と大差ありません。画質を気にしなければ結構スムーズな動きをしてくれています。


図7:Server(Main)の接続時 速度優先(モノクロ:640×480) 

 最後に接続画面の様子です。28FPSで通常の接続画面とほぼ同じ滑らかさです。

 さて、今回からの変更の目玉「FFXIでキーボード操作が出来る!」ですが試したところちゃんとキーボードからの入力を受け付けてくれました。ただ敢えて言うなら入力レスポンスがまだまだ悪いです。特に移動しようと方向キーを押し続けているものの、リモートサーバ側では「方向キーを連打」しているように受け付けられているようで、「トトトト」と移動してなかなか走り出してくれません。そのせいもあってか、人とぶつかるとすり抜けてくれません(爆)。
 また、ログインしないと操作できないところも変わっていないので、VNCでログイン後に別途起動させなければいけない点は変更無しです。ただその点に目をつぶれば市販ソフト並みの動作をしてくれるでしょう。と言うことで評価は一部変更で下表にしました。

項 目 評 価 備 考
画像描画 ★★★★★ 環境により描画スピードはかなり速い
利便性 ★★ コントロールはログイン以降のみ可
操作性 ★★★ キーボード入力はやや難あり
マシン負荷 ★★ ネットワークのスループットが影響
導入 ★★★★ 同一exeを起動するのみで簡単
総合評価 ★★★★ マウスのみの操作性はVNCを圧倒。ただしキーボードのレスポンスに期待。

■3.Ultra@VNCによるリモート操作■ 2005.05.22 NEW!

 今回はUltra@VNCについても評価してみました。Ultra@VNCはVNCから派生したリモートソフトウェアでプラットフォームの豊富さには負けるものの独自の圧縮送信技術でより高速な描画や使いやすいユーザインターフェースがポイントです。画面を見ても分かるとおりよく使うコマンドはアイコン化されていたり、右上のインジケータで通信具合も視覚的に分かります。


図1:Server(Main) 自動設定(32ビットカラー:640×480) 

 TrueColor(32ビット)での表示では画面の見かけ上は通常と遜色なしです。またWinndowサイズも自動的に設定値の大きさになるので使い勝手も悪くないです。フレームレートは約2〜4FPSなのでIgScopeには劣りますが、操作ラグが発生具合からはむしろこちらのが操作しやすい感じがします。

項 目 評 価 備 考
画像描画 ★★★★ 独自の画像転送で高速化が図られています
利便性 ★★★★ 「ようこそ」画面から操作可
操作性 ★★★ レスポンスが悪いがVNCよりはかなり良
マシン負荷 ★★ クライアント・サーバとも若干CPU使用率高し
導入 ★★★ ネットワーク知識があれば導入はし易い
総合評価 ★★★★ VNCと比較するとかなり使い勝手は良い。フレームレートはIgScopeに劣るが、操作性ではこちらのが上である。

■4.終わりに■

 バージョンUPしたIgScopeUltra@VNCを使ってみましたが、RealVNCと比較するとかなり操作しやすいといえます。ただ、どれもラグが発生するのでどれも「快適な操作」とは行きませんでした。アプリとしての使い勝手はUltra@VNC画面の滑らかさではIgScopeと言ったところでしょうか。IgScopeの入力性能が改善されればまだまだ評価が上がると思います。現在も改修中とのことで今後も引き続き期待しています。
 次回は更に別のリモートソフトウェアについて検証できればと思ってます。
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