第六十四話  ジュノデビュー
 Shusはパシュハウ沼を一人走っていました。特にチョコボ乗っているわけでもなく、かといって「とんずら」を使用しているわけでもなく、ただひたすらジュノを目指して走っていました。腰にはPGTメイスをぶら下げ、左腕には黒亀の甲羅で出来た盾を付けていました。白地に金色の刺繍が入った服を身にまとい、真紅のマントを羽織っていました。なぜそんな所を走っているのかと言えば、特に理由はありません。ただ道すがらキノコを採取しながらの道中でした。ある時は目の前をカニが横切り、ウサギと並んで走り、そんな穏やかの風景の中を足取りも軽く進んでいたのでした。

 ふと前方に半透明な名前を持つ者が見えてきました。ふと気になったShusは向きを変え近づくと・・・それは若いガルカの死体でした。服装からレベル20前後でしょうか?そのまま立ち去ることも出来たのですが、彼は白魔道士だとわかりました。

 Shusは彼に近づくとレイズを詠唱し始めました。このレベルの彼がここにいることの意味を考えてそうすることにしたのです。そして詠唱が終わると共に彼は起き上がり、Shusにお礼を言ったのでした。

 「ありがとうございます。」

 一息した所で、Shusは彼に話を聞きました。彼はまだヴァナに降り立って一ヶ月。LV20になったので単独でジュノに旅立ったのだそうです。しかし沼で敵に見つかり、志半ばで息絶えたとのこと。そこでShusはこう申し出たのでした。

 「私も今ジュノに向かっている途中なんだ。一緒に行くかい?」

*           *           *

 Shusは彼とパーティを組み付いてくる様に指示を出すと、スニークとインビジをかけ走り出しました。どちらかが切れそうになった所でかけ直しをしながらの旅になります。沼は何時しか雷になり、エレメンタルが目の前で光ります。彼は「何時見つかるかドキドキしてます。」と不安そうに言うので「大丈夫、襲ってきたら返り討ちだよ^^」と返しました。そして偶然通りかかったGoobbueに「ごめんね」と呟いて、6連打攻撃で一気に打ち伏せました。ドロップは挿し木でした。Shusは「ジュノで売れば入用なものが幾つか買える筈だよ」と彼に渡しました。彼は嬉しそうに「ありがとう!」とお礼を言いました。

 そんな沼地とお別れすると目の前には緑の草地が広がりました。ロランベリー耕地に入ったのでした。彼は「わーっ、綺麗だ!」と感嘆の声漏らしました。彼の故郷グスタベルグは砂地が多いから新鮮に見えるのでしょう。「でも敵も強いから油断できないよ。」と声をかけ、更にインスニもかけて走り出しました。

 「クロウラーがいっぱいいるんですね。」
 「うん、でもそばにはグーブーもいるから気をつけないと。」
 「スニークだけじゃダメなのですか?」
 「ほら、ゴブリンもいるんだよ。」
 「なるほどー。」
 「よし見えてきた、アレがジュノの入り口。」
 「ホント?!長かった〜」


こうしてShusとガル白はジュノに足を踏み入れました。 「やったー!」とパーティ会話で喜びを爆発させる彼に「こっちまで来てね」と競売近くまで呼び寄せて、

 「恒例の儀式をしないとね^^」
 「え、儀式って何ですか?」


 /sh たった今<p1>さんが、初めてジュノに到達しました!

 「おめでと〜!」
 「ジュノデビューおめでとー!」
 「おめー」


この一瞬は昔も今も変わらないな・・・とShusは目を細めました。そして

 「ここでお別れするよ、改めてジュノへようこそ!頑張ってね!」
 「ありがとうございました!」

こうしてShusは彼と別れたのでした。

*           *           *

 その後Shusはジュノでの幾つかの用事を終え、白門に戻ってきました。そして競売を眺めているとtellが入りました。

 白ガル > すみません。実はバストゥークに戻ってしまったんです。
         もう一度一緒に行くことは出来ないでしょうか?

別れてから1時間余り、何があったのか聞いてみると次ぎの様なことでした。別れてまもなくしてパーティのお誘いが入り、訳もわからず参加してしまったこと。その間ホームポイントを探すも見つからず、パーティメンバーからせかされて、そのままクフィム島に向かったこと。そしてミミズを狩るも誤って死んでしまったこと。パーティメンバーから「一旦戻ってすぐ来るほうが早いよ」という言葉を真に受け、ホームポイントであるバストゥークに戻ってしまったこと。彼は申し訳なさそうに語るのでした。


 「申し訳ないけど、私も用事があるから連れて行くことは出来ないよ。」
 「そうですよね。」
 「それに一度は通った道。今度は自分独りで行かないと。」
 「分かりました、どうもすみませんでした。」


・・・でも傍らでそうレスを返しながら、もう片方では競売から「プリズムパウダー」と「サイレントオイル」を1Dづつ購入して、彼宛の宅配BOXに入れたのでした。

 「やっぱり、私は・・・甘ちゃんかなぁ?(苦笑)」

*           *           *

 翌日ログインすると再び彼からtellが入りました。

 「宅配ありがとうございました。今ジュノにたどり着けました!」
 「おめでとう!でも今度は貴方が他の誰かを助けてあげてね。」
 「はい、頑張ります。」


 「あと、白魔道士はパーティの生命線だから、
                 断るべき所は断る勇気も持とうね。」

 「はい」
 「まずはチョコボクエをこなして免許を取らないとね。頑張れ!」
 「はい、パーティはその後にしますw」
 「^^/」


 こうして一人のガル白がジュノを起点として活躍を始めました。今の時勢、新規でジュノに向かう冒険をする人はほとんど居ないでしょうが、もし彼がであったらきっと助けて上げれるだろうな・・・とShusは思ったのでした

 「よしっ!コカ肉取りに行かなきゃ!」

そしてShusは再び走り出したのでした。腰にはPGTメイスをぶら下げ、左腕には黒亀の甲羅で出来た盾を付けてShusは今日も走ります。ヴァナの朝日は今日も眩しく光っています。
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