第三十話  別れの季節
 3月は別れの季節です。
私が所属しているLSでも3月末でFFXIを引退し、ヴァナからお別れした方がいました。

 彼はリアルの都合上31日にイン出来ないとのことで、前日の30日が最後の日とのこと。その日の夜半、彼はいつもの挨拶でログインしてきました。LS内では最後の日にイベントとか出来たら良いなと言い合っていたのですが、時間の都合上合わせるのが難しく、LS内で個々にお別れの挨拶とかする形になってしまいました。

 彼は残りの荷物を整理した後、手持ちにある獣人印章でギデアス50BC(箱BC)に特攻してくるとの事。今思えば彼らしいラストイベントでした。

 その事を聞いた私ともう一人のメイン白さんはラストのBC突入前に、バルガの舞台に先回りして彼を待ち構えることにしました。箱BCや限界5クエの実装時には行列が出来るほど賑わったBC前も、今日は二人以外誰一人居なくて閑散としていました。

 「ここもサビレたね。」
 「そうだね。」

そんな様子が寂しさに拍車をかけていました。

 そして黄色と赤色に光るBC突入口の上で待つこと暫し、身軽な装備に身を包んだ彼が走ってきました。そんな彼をエモで出迎える私たち。ちょっとだけ賑やかになりました。そして彼からのトレード・・・スシ修行中の私は土クリを貰うことになっていました。私はちょっと迷った後、メインジョブがモンクの彼にはやはりこれかな?・・・と山串を1本を餞別として返しました。そして、

 「バーベQで串を見たときには私Shusを思い出してくださいな。」

とお別れの言葉を送りました。彼はその場で山串を頬張り、明るく答えてくれました。その後白2人で「女神の祝福」をし、彼をBCに送り出しました。

 「やっぱり祝福は華やかでいいなぁ」



 BCに入った彼は、小さいのにするか、中くらいのにするか、大きい箱にするか迷ってLSメンを程よく焦らした後、「これって殴ればいいの?」とボケをかましつつも見事当たりを引き当てました。

 「最後にオチがつかないなんて○○らしくないな〜」

とはやし立てるLSメン。しかしゲットしたアイテムを調べたところ、誰も引き取り手が居ないことが判明!やっぱり最後にオチを付けてくれました^^
 しかしその反面、彼が立ち去り2人になったBC入り口は、再び寂しさが戻ってきました。その寂しさに我慢できなくなった私は、

 「とりあえずジュノに戻ろうか?」
 「うん」

と2人でデジョし、ジュノに帰還しました。そしてジュノのモグハウスの中、LSメッセで最後のお別れをすることにしました。



 ここからは「自分の好きな場所でログアウトする。」ということで、メンジョブのモンクにチェンジし黄色い胴着に身を包んだ彼は一人旅立ちました。そして彼がログアウト場所に選んだところは「西サルタバルタ」でした。

 「やっぱり最後はこの音楽だよな」

 緑豊かなサルタの地。そこに流れる曲は心和むのどかな音楽です。そして、私も西サルタで初めての戦闘をしたことを思い出しました。彼の冒険も、最初は西サルタから始まったのかもしれません。いやきっとそうだったのでしょう。

 私たちはLSで最後のお別れの言葉を交わし、彼の名前がLS一覧から消えてしまうのを静かに見守りました。

 「行ってしまったね。」
 「うん;;」

 きっと彼は星降る丘の上で、緩やかに吹く風を肌に感じながらログアウトしたのでしょう。こうして彼の冒険は静かに幕を閉じました。



 この別れの季節、皆さんも様々な別れを経験したことでしょう。リアルでもヴァナでもそれは寂しいことです。でもその後には新たな出会いが待っているはずです。そして何かの縁で再会することもあるかもしれません。そう信じてヴァナを走ることでしょう。

 /salute
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