第二十九話  ヴァナ・ディールの経済学(概要)
 FFXIの世界はある意味実に良く出来ていて、ゲーム内にそれなりの経済が存在している事を皆感じているのではと思います。狩猟、伐採、漁業、栽培などによる生産者や、加工業を営む者、更には貿易商人まで様々な方法で収入を得て生計を立てることができます。そしてその収入から食料や衣服、移動手段などの費用を消費として使用しています。実際の経済と大きく違う所と言えば、 
  • 金融業(銀行や証券会社)が存在しない
  • 活動の単位は基本的に個人であり「会社」が存在しない(LSとして擬似的な集合体はあるが少数である)。
  • お金が無くても無いなりに生活は可能であり、自己破産が存在しない。
  • 減価償却という概念が成り立たない。
  • スクウェアエニックスのパッチにより経済自体が大きく変動する。
 という所でしょうか。ちなみに筆者は経済学を専攻していないので、専門家から見るとまだまだ指摘したいところがあるかもしれませんが軽く聞き流して下さい(おいw)。

 さて、今までのFFXIの歴史の中で幾つもの「経済的事件」が発生してきました。今回は「概要」と言うことでこの歴史を振り返ると共に「ギル」の貨幣価値について考えて見たいと思います。

■1.ヴァナ経済史(〜2005.03.14)
 ヴァナ・ディールにおいて過去に起きた経済に関する出来事をまとめてみました。

出 来 事
 2002.05.16 FFXIサービス開始
 2002.06頃 バストゥークで「ネムリタケマラソン」が流行るが修正が入る。
以後繰り返し移動する金策を「マラソン」と言う風潮が生まれる。
 2002.07頃 「ミスリルマラソン」フィーバー発生!
 2002.07.09 「ミスリルマラソン」に修正(買い取り価格変更)が入る。
 2002.07頃 トレードを利用したギル増殖Dupeが発覚
→競売の一時期閉鎖
また
「銀の髪飾り」祭りが起きる。これにより合成が儲かることを世に知らしめる。
 2002.08.08 大規模パッチ
・ダンジョンに宝箱が実装される。
採掘が実装される。
 2002.09.12 大規模パッチ
栽培・伐採が実装される。
 2002.10頃 ジュノ宝石店から中級宝石販売が無くなる。またバス飛行艇乗り場の黒鉄鉱と原石販売が無くなり、彫金ギルドの原石転売が流行る。
 2002.11.07 Windows版発売
 2002.11.26 大規模パッチ
・コッファーが実装される。
・合成分野で「
分解」が追加。
 2002.12.19 ジュノでのバザー取引に関税が導入される。以後寝バザーが分散するようになる。
 2002.12頃 かばん拡張クエにより黒石・ペイナイトが高騰する。
 2003.01頃 デジョン合成のDupeが発覚。該当者のスキル巻き戻し等がされる。
 2003.02.05 大規模パッチ
印章BCが導入。
・シーフツールによるコッファー開錠に罠やミミックが実装される。
 2003.04.15 大規模パッチ(ジラート実装)
・スタック可能な食品の効果時間が
30分に変更される。
・獣人からの装備品ドロップが全体的に減少修正される。
・合成では
店売り価格の修正がされ黒字レシピの多くが潰れる。
ジュノでの競売手数料が引き上げられ、特産品売り場が消滅。
・新ジョブ実装でノーグや天晶堂からの刀や媒体転売が盛んになる。
 2003.07.13 大規模パッチ
・レイズ2が入手しやすくなるよう修正が入る。
・競売が上層・港にも配置される。
・新エリアの獣人からもギルドロップやスチールができる様になる。
獣神BCが実装され、HNM素材が入手可能になる。特にダマスクインゴやダマスク織物、レイズ3をドロップする壷神30BCが流行る。
 2003.08〜 会員規約にて寝釣り等の使用禁止が明記される。以後取締りが徐々に強化されていく。
 2003.10.20 大規模パッチ
・HNMなどの3日POPが1日POPに変更され、素材・装備供給量が若干増える。
・新たな印章BCが追加
チョコボ掘りに修正が入り人気金策に
・北米サービスが開始され、初心者NAのクレクレシャウトが問題視される
・コルコシュでも意図的な集団自殺や初心者NA参入により獣人支配が広がる。これによりヤグドリや山串が一時期高騰する。
ニンジン汁を合成し店売する金策が発覚するがすぐ修正される。
 2003.12.16 大規模パッチ
・空HNMや三大HNMが配置される。HNM素材をドロップすることから注目をに。
・栽培に
「謎の樹木の挿木」が追加され、プラナゲフィーバーが到来する。
 2004.01頃 キャラクターを意図的に削除するトラップ入り寝釣りスクリプトが出回る。
 2004.02.26 大規模パッチ
デュナミス実装。突入に100万G必要となることからギル回収と噂される。しかし裏LSが登場し砂時計代を分担するスタイルが出来上がる。
・謎の装置が稼動開始する。しかし当たり外れの大きさや、チップの値段から放置気味に
 2004.04.23 大規模パッチ
指定生産品クエの実装
・家具に収納以外の付加効果が追加
 2004.04頃 この頃から中国人ギル収集キャラクター「中華」が現れ始める。
 2004.06.29 大規模パッチ
・アラ獣神99BCが追加される。しかし使用する印章数と難易度の割りにドロップアイテムに魅力が少なく、一般の人には敷居が高いものになってしまう。
 2004.08頃 錆びたキャップ磨いて店売りする金策が発覚。これにより寝釣りが急増し光クリが高騰する。
この頃より
インフレ加速傾向が見られ始める。
 2004.09.14 大規模パッチ(プロマシア実装)
・錆びたキャップについて店売り修正が入る。
潮干狩りが実装される
 2004.09頃 新エリアでのドロップアイテムの店売り価格に修正が入る。
 2004.10頃 ムバルボロスのある特産品を売り買いすることでギルを無限に増やせる金策が発覚。公式に警告が出ると同時に、すぐに修正される。
 2004.12.09 大規模パッチ
RMTについて明確に「禁止」を宣言
・食事改革により食事が用途に合わせて細分化され、新メニュー
「スシ」フィーバーが起こる。
競売手数料の修正され、高額商品の出品が自粛傾向になる。これによりバザーやトレハン販売が増える
 2004.02.15 ハラスメント行為をしていた中華アカウント(約800)が一斉削除される。しかし単純に独占をしていたアカウントは残り、一部では相変わらずの中華独占が続く。
 2004.02.24 大規模パッチ
・釣りの仕様が大きく修正され寝釣りが減少。それに応じ一部の魚の供給が減少したが、正規の手釣りが面倒ではあるが有利となる。
NMクエスト導入で新素材・装備が実装される。
・スナリン、アメマの代替品が登場
・高騰していたレイズ3の入手方法が追加される。
・マネキンの販売開始

■2.ヴァナ経済の特徴
 ヴァナ・ディールの経済の特徴はなんと言っても

 「スクウェアエニックスの外的介入により品物や方法の価値観が変動する。」

所でしょう。特に「想定外に簡易にギルを入手できる」活動に関しての修正は迅速に行われています。また大規模パッチ毎にバランス調整を行うことで各活動の有効性が変動しています。例えばチョコボ掘りの仕様変更による人気上昇や、釣りに関しての様々な修正は印象に残っていると思われます。そういう意味では運営のさじ加減で現在人気の無い分野が脚光を浴びることもありえますし、今までスタンダードだったものが必須ではなくなるケースも有ります。

 「ヴァナ・ディールの金策は情報戦である」

これは逆にリアルの経済と似た傾向であると言えます。他人よりもいかに早く情報を収集し、それを活動に結びつけることが出来るか・・・。特にVerUP直後はその情報戦を制したものが得をすることが多いのは周知の事実かと思われます。いかに人より先んずるかがポイントとも言えます。

 「ゴールドラッシュは必ずしも儲からない」

ある金策が脚光を浴びると多くの人がその金策に群がります。有名な物では栽培による「プラチナナゲット」、ダボイの「黄金マスク分解」、ラバオの「錆びたキャップ磨き」などが有名です。これらは金策手段としては有効な方法にも関わらず一時期大量の人が押し寄せた結果、一人当たりの利益が分散されてしまったり、値崩れしたりして逆に苦労の割りに収入が少ないということが往々にあるようです。新しい金策をやってみる場合はその辺りを冷静に見守りたいところです。

■3.ギルの価値について
 ヴァナ・ディール上の通貨「ギル」。このギルの価値を計るのは大変難しいと言えます。なぜなら為替のように比較対象となる指標がある訳でもなく、また純金のように安定した価値を持つアイテムも存在しないからです。ほとんどのものがパッチにより何らかの形で価値が変動しているが現状です。今まで最も流通量が大きかった「山串」でも製造コスト、HQ比率、他食品の登場で現在の価値は変動しています。
 そこで不謹慎な点もあるかも知れませんが、「ギルの価値の変動」を見る方法としてRMT(リアルマネートレード)の推移を調べてみることにしました。
<注意>
 RMTはFFXIの利用規則により禁止されています。くれぐれもやらない様にしましょう。




 実際にはキャッシュ機能のあるサーチエンジンを幾つか使用してデータのプロットを取りましたが、RMTサイトは2004年7月ぐらいから増え始め、今現在(2005.03)では数え切れないぐらいのサイトが見つかりました..._| ̄|○
 現在のレートは100万Gで3,500円〜5,000円程度のようです。中華ってホントに儲かっているのでしょうか・・・?正直甚だ疑問です^^;

 こうして見るとギルの価値は約1年で四分の一程度になっています。つまりアイテムの価値が変わっていないと仮定すると、値段は1年前と比較して約4倍になっていると言えます。そう考えるとインフレが起きるのも少し頷けます。

 現在ではHNMLSや空LSに所属してなくても、BCで当てれば数百万と言うギルを受け取れます。それによりヴァナに出回るギルの総資産数が増え、それに反比例してギルの価値が下がってきたと言えるでしょう。

■4.最後に
 健全な経済活動は「少しづつ個々の総資産が増え、それに伴い緩やかなインフレが継続する」という考え方が有ります。実際リアルの経済も緩やかにインフレが続いてきたと言えます。(昨今の不況ではデフレーションと騒がれましたが、数十年という長いスパンで見るとインフレと言えます。)
 今のヴァナでのインフレは緩やかな健全なインフレと言えるのか・・・はたまた異常なインフレが加速しているのか・・・。本当のところはどうなのか?それはアルタナの神だけが知っているのかも知れません。

 今後のヴァナ・ディールの経済の行方は私を含め非常に気になる事柄の一つになってきています。
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