第二十話  ある召喚士Sの一日(後編)
 召喚士Sが再びPT希望を出してセルビナの入り口に座っていると、またもや無言誘いが来た。さっきよりはマシなことを期待してPT参加をすると今度はNAの戦士がリーダーであった。

 「今度は盾がいそうだ。」

と別の意味でSは一安心する。その後JPNの忍者、召喚とNAの赤魔道士(注:サポ戦)、モンクと集まり、混合PTが結成される。白魔道士こそいないがリーダーからは連携の指示も出てさっきよりは上手くいきそうな雰囲気である。ただ、唯一の心配事はケアル2持ちがサポ戦の赤魔道士ぐらいであろう。Sはそう考えていた。

 とりあえず狩場はOutSpot脇に決まり、皆で移動する。釣りは忍者が引き受ける。獲物はゴブ&トンボで戦闘を開始する。しかし始まってすぐ事件はおきた。忍者の釣りミスでゴブがリンクし、2体を引っ張ってきた。召喚士Sはすかさずフェンリルを召喚し片方を相手させようと試みる。その時いきなり一人落ちた。だれ?!とメンバーを確認すると

 リーダーマークがSに付いている・・・

落ちたのはリーダーか!まさか?!と思ったがそのまさかであった。

 ゴブ2体は皆がアビを使い何とか5人で撃退するが、リーダーは帰ってこない。お前、リンクして死ぬと思ったから線抜いただろ・・・。仕方がないので召喚士Sがリーダーを変わりにやることになった。そしてすぐJPNに代役の声をかけ再結成する。これでJPNが4、NAが2人になり会話のやり取りも日本語が増え、必要があれば通訳する形になル。暫く後にモンクも時間で抜け、再度JPNを補充、比率は5:1になる。それと比例してピッチが早くなり自給も上がっていった。



 さて、一人残った赤/戦であるが、ジョブの組み合わせによる特性は理解しているようで、ケアル2も挑発も行っていた。誰かのHPが大きく減ればケアル2を、忍者が空蝉の張替えには挑発をという具合だ。ただ気分は前衛なのか基本的に座らない。そして連携というものは知っているのか、誰かのWSに合わせて自分もWSを撃とうとする。しかしJPN間で連携が打ち合わせてあるので、決まった順序でWSを撃とうとするのだが、

 赤がその間に割り込んでくる。

それが連携になって繋がりならいいのだが、連携しない組み合わせだから始末が悪い。しかしさすがなのは2番手が割り込まれたのを確認すると同時にWSを変更し、連携させる。ゴタゴタはするものの上手く機能している。まもなくLVが上がり、海岸に移動しカニに獲物を変更する。白魔がいない分を召喚×2+赤で回復サポートする。

 時間も結構経過し、5人の間で「いつまでにする?」という相談になる。とりあえず皆のNextEXPを確認すると、NA赤が一番レベルアップに近いようだ。ということで

 赤がレベルアップしたらそこで解散

ときまる。その旨を赤魔道士に伝えると了解する。よかった、サポはイレギュラーだが分別は問題ない。サポ戦もそれなりに役立っているし、回復もしてくれる。

 程なくして赤がレベルアップする。みなで「お疲れ様〜」と挨拶してセルビナに戻ろうとすると、NA赤は「ここに残る」との事、きっと新しいPTを探して続けるんだろうなと皆納得してお別れした。



 召喚士Sのレベルは19まで上がっていた。このレベルならジュノデビューできるだろう。いろんな人とであった長い1日であった。召喚士Sは感慨にふけながらセルビナから船に乗り、マウラを経由して祖国ウィンダスに帰っていった。

 その後、クフィムで連続ケアルする召喚士Sの姿があった。彼が活躍するのはもう少し後のお話です。でも砂丘で出会った1日の出来事は決して忘れることはないだろう。

 嫌でも忘れることはないだろう!

召喚士Sはそう思うのだった。

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