第四話 ネットビューティ
 私のいるギルガメッシュサーバーに自称「ネットビューティ」という有名人がいる。

 いわゆる男性が操作している女性キャラクターなのだが、それを「ネカマ」と言う表現をせずに、上記の名称で自称していると言う訳だ。自らその事を宣言しているので、ネカマ云々はたいしたことではない。(と私は思っている)
 では彼女(彼?)がなぜ有名なのかと言うと、サーバー内で事件があったり、ウ゛ァナの社会問題が顕著化した時に、颯爽とルルデの庭に現れ、その問題について自分の意見を踏まえてシャウトするからである。そのシャウトは、皆が読めるように1行づつ一定の間隔をあけつつも、時にはログが数画面に及ぶ大きいモノである。こうなると「シャウト」というより「演説」と言った方がいいかもしれない。そしてふと先日行われた参議院選挙戦の街頭演説やデモ隊のシュプレヒコールとシンクロしている事に気付いた。

 大量に流れるログを正当化するつもりはないが、その時ネットビューティは確かにウ゛ァナに生きており、自分の考えを皆に知ってもらおうと活動しているのだ。

 見知らぬ人々が行き交う仮想空間ウ゛ァナ・ディール。しかし、その人それぞれが世界各地からこの世界を共有していると考えると、また言葉に言い表せない不思議な気持ちになる…。何気なくログインしているこの世界、皆さんはどう考えますか?
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